2016.07

2016年7月15日(金)『歌舞伎座室7月大歌舞伎夜の部。荒川の佐吉、鎌髭、景清』

 今月の夜の部は、猿之助の「荒川の佐吉」。何回も見た芝居だが、猿之助の芝居のうまさに驚いた。なにより、口跡がいい。先代猿之助のセリフ回しを自分なりに解釈して、押し引き、感情を抑えたり、爆発させたり、自由自在の演技をする。世話物のしがないヤクザを演じても、ヤクザの成長により、台詞術...

2016年7月13日(水)『国立劇場歌舞伎鑑賞教室、三十三間堂棟由来』

 国立劇場の第90回歌舞伎鑑賞教室の演目は、三十三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)だった。簡単な筋を書くと、場所は、熊野三山。神様の力が及ぶ神域であって、こんな話もあるかもしれないと思わせるシチュエーションであるその話とは、人間と動植物の精の結婚という「異類婚姻...

2016年7月2日(土) 歌舞伎座7月昼の部『柳影澤蛍日、柳沢騒動と、流星』

七月の歌舞伎座は、昼が、柳影澤蛍日、柳沢騒動と、流星の二本立て、夜は、荒川の左吉と、歌舞伎十八番の鎌髭、景清である。海老蔵と、猿之助、中車が顔をそろえる。大看板はお休みにして、花形で公演をおこなう、夏の歌舞伎座である。荒川の左吉以外には、観たことがない演目なので、楽しみである。今...