8月25日(日)『フィジーク系のV字体型は、果たして美しいのか』

筋肉を競う大会というと、以前は、ボディビル大会だけだったが、現在は、フィジーク、ベストボディ、サマスタなど、様々な大会が行なわれている。正直言って大会は多いが、どこを、どう競うのか、大会の差がいま一つ分らないので、私は混乱している。

ボディビルは、体の全身の筋肉を鍛えて、均整の取れた身体作りを目指すが、フィジークの大会は、Vの字に広がった上半身の筋肉の発達を競い、脚は、サーファーのロングパンツ穿くので、脚は審査の対象になっていない。そのせいか、脚を鍛える人は少数派で、脚は鍛える必要がないと判断して、上半身がV字型に広がるトレーニングばかりを行なっている。三角筋を大きく、横に広がる種目を繰り返し、広背筋を出来るだけ広げるトレーニングに命を燃やしている。フィジークは、体の正面から見栄えがする身体作りを考えるから、大胸筋の形の美しさや、腹筋のでこぼこカットも重要なので、ここも欠かせない。

上半身を鍛えると言う目標で、直向に筋トレしている姿は、素晴らしいと思うが、私の筋肉美をどうみるかという観点から見ると、上半身を支える強い下半身なくして、上半身だけを鍛えても、肉体のバランスは崩れると思うが、どうだろう。私は、上半身だけがV字型に広がっていても、大腿部の筋肉が細く、腓腹筋のまるでない身体は、力強さがなく、バランスが崩れて、決して美しいとは思わない。フィジーク大会と言う、上半身の筋肉の発達を重視する競技の性格上仕方がないかもしれないが、ツルの部分が細い、背の高いワインカップのようで、バランスにかけると思う。

でも若い方々は、フィジーク体型を格好いいと言う方が、圧倒的に多いようだ。70歳近い私の、鍛えた体の美しさへの評価が、若い世代と、ズレているのかもしれない。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

ニュース, ナレーション, 司会, 歌舞伎, お茶, 俳句, 着物, 元NHKアナウンサー