2月7日(木) 『玉の汗ならず流れてジムサウナ』

スポーツクラブのサウナで老いを感じた事を書く。サウナには先客がいて、何かの大会に出場しているのだろう、黒く日焼けした筋肉質の20代の若い方だった。長時間サウナに入っていたのだろうか、玉のように大きくなった汗の粒が体いっぱいに張り付いていた。皮膚の上に、不規則規に並んだ丸い汗の玉は、綺麗に盛り上がり光っていた。

失礼だが、しばらく観測させていただいた。ドンドン表面張力で大きくなった汗の粒が、限界を超えると、今度は鍛えた背や肩、胸の筋肉の上を流れて行く。身体中に、汗の流星が流れているようだった。

一方、67歳の私の汗はと言うと、勿論汗は掻くのだが、汗が玉の様に大きく盛り上がらずに、小さな粒のまま、どんどん流れ落ちていく。汗は出るが、すぐに体の上を流れて行き、身体を濡らすだけなのだ。どうやら、サウナでの汗の掻き方にも老化が存在するようである。

何故なんだろうか。推量すると、多分身体の表面を覆っていた油分が次第に薄れて来て、表面張力が効かなくなり、汗の玉が大きく育たなくなったためだろうと思っている。

若い時には、ジム内で筋トレをしていると、汗が玉のようになり、いかにも汗を搔いている状態を感じたが、今はなくなった。こんなところにも老化は感じるのだ。

ここで一句 玉の汗ならず流れてジムサウナ

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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