悪事千里を走る、情報の拡散は凄い!

(悪事千里を走る、情報の拡散は凄い)

 スポーツニッポンでカメラマンをしている田中さんから、「5月5日、明日予定の東京オープンボディビル大会で、タレントの、なかやまきんに君を取材に、記者と、カメラマンが会場に行くので、合わせて取材させてもらえませんか?」と、依頼があり、「いいですよ」と返事をした。

私が出場する60歳以上のクラスには、8人出場して、4人が決勝に進出できる。なにぶん初出場だから、まずは出場することに意義があるので、決勝に進むのは難しいだろうと、自分では思っていた。予選落ちなら、取材する価値はなくなるから、取材はなしになるだろうと、軽く思っていた。それが、よもやの決勝進出となった。私自身が一番驚いたが、取材価値が出てきたのだろう。スポニチの吉澤記者が、田中さんを通じて、電話をかけてきて、取材したいと言って来た。昨日OKを出しているので、取材に応じる事にした。予選通過後、30分程取材に時間を割き、色々と話を聞かれた。決勝では、4位と言う成績だった。改めて吉澤記者から電話があり、4位の感想を聞かれた。

 実際に記事になるかどうか分からないが、なかやまきんに君と合わせ技で、紙面を構成したいと言う話は聞いた。夜になりスポニチの田中さんからメールがきて、TOKYOの山口君がジャニーズ事務所を解雇されたと言うニュースが入ったので、没になるかもしれないと、連絡が来た。

 翌日、駅でスポニチを買い求め、芸能欄を見ると、かなり大きな記事になって驚いた。私の、ポージング写真も使われていた。約束通り、腹から上の写真だった。ただ、なかやまきんに君については、記事がなかった。後で話を聞くと、スポニチの読者層は、中高年が多いので、読者層にアピールするため、すべて私の記事で行こうと、夕方のデスク会で決めたそうだ。

6日の昼頃、次の段階で、私の予想を超える事態が急速に生まれてきた。YAHOOがスポニチの記事を、そのまま載せたのだ。数時間にわたり、YAHOOのトップを飾ったと聞いた。YAHOOを始め、様々な所が原稿を転記して載せたので、情報は、アッと言う間に、世間に知れ渡ったのである。悪事万里を走る、と言う言葉があるが、情報はあっという間に伝達する事を、我が身を通じて知った。これが悪事だとしたらと思うと、ぞっとした。

 スポニチの記事は、取材で、私が話した事を、きちんと伝えてくれた。もしそうでなかったとしたら、誤情報が伝えられたとしたら、一遍メディアに取り上げられると、そのまま書かれた情報が、拡散していき、誤情報と分からないままに、拡がっていく。最初に原稿を書く人は、責任が重いと思った。と共に、最初に取材を受けた時に、情報の管理を徹底することが、取材される側の責任でもあると思った。一度メディアに載ると、間違いを訂正する事が出来ない。恐ろしい事である。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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