筋トレ青年の就活感


 今の時代の若者は羨ましいと思った。就活の事である。先日の東京オープンボディビル大会で、何人かの大学生と話をすることができたが、就職に対する考え方は、私とは大きく異なっているので驚いた。私と言うより、私と同世代の共通の思いだと思う。就職活動の事を話すと、彼らは一様に、就職先を、筋トレが自由にできる仕事、会社で選ぶと言うのである。

私が就活をした40数年前は、就活の指針として、筋トレが出来るのに都合がいい仕事や会社を選ぶなんて事は、考えもしなかった。就活では、自分の将来の可能性を広げ、一生を託せ、会社の将来性や、給与水準、転勤の有無、更には、一部世間体なども考慮して、会社を選ぶ人がほとんどだったと思う。

ところが今の時代においては、自分の肉体の可能性にチャレンジできる生活環境、筋トレ環境を優先して会社を選ぶと言う。私の世代では、考えられない事だ。

この背景には、ブラック企業お断り、働き方改革、時間外労働の削減、仕事は仕事、プライベイトはプライベイトと割り切り、働く時には働くけど、筋トレする時間は絶対確保するし、企業により邪魔されたくないと言う強い意思を感じる。

私事だが、NHKに入り、地方勤務が続き、満足なジムがなかったことや、仕事が忙しく、定期的にジムに通い、筋トレが継続できなかった、悔しい思いが頭をよぎる。就活の考え方の変わり方に驚くとともに、こういう強い意思を持った学生を応援したくなる。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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