2021.11

令和3年11月20日(土)「国立劇場、一谷嫩軍記、三度目」

今回で三回目の一谷嫩軍記の観劇である。中村芝翫が、芝翫型で演じるのが、今回の眼目である。以前も書いたが、なぜ熊谷直実が、芝翫型では赤い顔で出てくるかを考えながら見た。私は、前回、熊谷の怒りの気持ちを込めた赤い顔ではないかと、書いたが、今回もその感想を一層強く持った。義経は、自分の...

令和3年11月11日(木)『歌舞伎座2部。寿曽我対面、連獅子』

11月歌舞伎座の第二部を見る。七世坂東三津五郎七回忌追善狂言として寿曽我対面。そして仁左衛門と孫の千之助が躍る連獅子の二本。コロナで観客席は、半分になっているが、満席と盛況だった。故七代三津五郎の息子、巳之助が曽我の五郎、十郎を時蔵、工藤祐経を菊五郎、朝比奈を松緑が初役で演じた。...

令和3年11月9日(火)『歌舞伎座3部、花競忠臣顔見世(はなくらべぎしかおみせ)』

忠臣蔵で有名なのは、仮名手本忠臣蔵だが、歌舞伎には、忠臣蔵物が数多く、総じて忠臣蔵外伝と呼ばれている。今回は、数ある外伝と本家仮名手本忠臣蔵をうまくミックスして、2時間で忠臣蔵を見せようという意慾的な新作である。第一場は、まるっきり仮名手本忠臣蔵と同じ趣向で、鶴ヶ岡八幡宮社頭の場...

令和3年11月4日(木)『歌舞伎座1部、神の島、井伊大老』

歌舞伎座の11月は、顔見世大歌舞伎、一部は、神の島と井伊大老の二本。神の島は舞踊劇で、コウノトリを素材にして歌舞伎へのオマーシュとして作ったと、作演出の水口一夫さんは語っているが、意図がよく分からなかった。神前で、赤松満祐が天下を狙い、大願成就の願いを成就するために、コウノトリを...