5月16日(土) 「本当なら今日から三社祭なのになぁ、パート2」

コロナウイルスの流行で三社祭は10月に延期されてしまった。例年だと、昼前にそろそろ観音裏に浅草の各町会の町神輿が集結し、休憩した後、浅草神社でお祓いを受け、各町内に戻る時間だ。今年は三社祭だというのに、浅草はひっそりとしていて、死んだ町のようだ。雷門前は、嘘のように人影が少ない。コロナウイルスの流行さえなければ、こんなことにならなかったのにと、つくづく思う。

中国の武漢で発生したコロナウイルスがたくさんの死者を出しているのに、日本政府は、武漢からの旅行者を止めなかった。死者の数が多くなって来てやっと武漢からの団体観光客の日本入国を禁止にしたが、武漢からの個人の観光客は、日本に多くがやってきた。中国各地からの日本への旅行を禁止したのは、もっと後になってからだ。

どうして日本は、コロナウイルスの流行の危機を迎えているのに、水際の対策を積極的に進めなかったのだろうか。日本は幸い島国だから、海が大きな壁になり、外国人の入国に制限を加え、コロナウイルス流行の国や地域には旅行に行かせなければ良かったのだ。こうすればコロナウイルスが自然に日本に来ることは絶対なかったのだ。なのにこんな流行になってしまった。どうしてなんだ?、と大きな疑問を持つ。その理由は、経済関係が深い中国からのインバウンドをなくしたくなかった事。習近平国家主席の国賓としての来日が迫っていて、中国からの旅行者を禁止にすると、日本側から国家主席の来日を断る形になり、日本側から言い出せなかったこと。もう一つ、コロナウイルスを前面に出すと、今夏予定の東京オリンピックの開催が難しくなる事などが考えられる。

日本ではもう500人以上が亡くなってる。コロナウイルスに感染して大きな苦しみの中にいる人も多い。自民党政府、安倍政権のコロナ禍に入ってからの対策は頑張っているとは思うが、初期の段階での誤りは万死に値する。こんな日本の危機に対する初動が鈍い政府は、もし尖閣諸島に、中国が攻めてきたらどうするのか、北朝鮮の弾道ミサイルが日本を攻撃したらどうするのか、今の政権だと、「強く抗議します」でお仕舞だろう。コロナウイルスの流行に対する日本政府の対処を見ていると、先が思いやられる。

こうした日本政府の後手後手が、私の生活に大きく影響を与えている。三社祭が延期になっただけでなく、歌舞伎を含む演劇が全て休止に追い込まれたこと。通っている原宿ゴールドジムを含めて、すべてのスポーツクラブが営業を自粛しなければならなくなったこと、まだまだある、仕事も全部なくなった。デパート、衣料品店、本屋が閉館されていて買い物ができない、友人などとの会食が出来ない、句会が開催できなくなった、まだまだあるが、もう書かない。私だけで、これだけの影響があるので、他の人にもきっとあるだろう。私達の日常生活を二か月近く奪っているコロナウイルスを憎むが、怠惰な日本政府の対応にも、怒りが増すのである。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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