10月12日(土) 『旧国立競技場、トレーニングセンター手帳』

今年の11月の完成に向け、急ピッチで工事が行われている国立競技場。もう外観は完成していて,来年の東京オリンピックのメイン会場として活用される事になっている。私が、これから書こうと思っているのは、新しい国立競技場ではなく、取り壊された1964年の東京五輪のメイン会場となった旧国立競技場の話だ。

私は、大学生時代、旧国立競技場内にあったトレーニングセンターの会員になっていた。当時最新のマシンを備えた、大型のスポーツクラブだったし、一周400mのトラックを、競技が行われていない時には、自由に走れる事が最大の魅力だった。当時通っていた五反田駅前にあった五反田のボディビルジムは、町の小さなジムで、ベンチプレス台は1台しかなく、マシンも限られたもので、トレーニングしていると段々不満が高まったが、そんな折に、国立競技場にあるトレーニングセンターを知り、入会したのだ。五反田からは少し遠かったが、マッチョな会員も多く、楽しくウェイトトレーニングしたのを記憶している。

先日書棚を整理していたら、当時教科書として利用していた窪田昇先生が書いたウェイトトレーニング本に、国立競技場の「トレーニングセンター手帳」、が挟まっていたのを発見した。普通の手帳より、小さめで、縦13cm、横8センチの明るい空色のビニールの表紙の手帳である。手帳の表には、金色で日本の日と言う漢字の中の横棒が、真直ぐではなくて、左上から右下に斜めに引かれるデザインがされていて、同じ金色でトレーニング・センター手帳、下には、国立競技場と書かれている。50年も前の手帳が見つかってびっくりしたのだが、ページをめくると、もっと驚く事が記されていた。ページを開くと。登録番号欄があって、そこに1723と記されている。氏名欄には鈴木桂一郎、年齢欄には19歳、電話番号は、局番が三桁の自宅の電話が書かれていた。更にページをめくると、体力測定記録欄があり、体重が54キロ、身長162,5センチ、胸囲は72cmと書かれていた。今は胸囲は110cmを超えているので、72cmと言う数字に驚いた。まるで腹っ周りの数字である。19歳の時には、極めて痩せていたのだなと、つくづく思った次第だ。

就職に当たって、23歳で購入したスーツは細身の体形用のÝ4サイズだった。身長165cm、ウェスト74cmの人用である。私のズボンのサイズが73cmで、胸囲が72cm、本当に細い身体だったんだなと思う。

大学の4年間、国立競技場トレーニングセンターと、五反田ボディビルジム、そして大学のウェイトトレーニング愛好会に入会して、身体を鍛え、大学を卒業するころには、いまでいう細マッチョな体になった。虚弱体質を克服して、それなりの筋肉質の身体になれたのは、筋トレのお蔭だと、つくずく思うのである。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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