4月12日(金)『フリーポージングの選曲はマイウェイ』

フリーポージングは、選曲、振り付け自由なので、邦楽、洋楽、クラシック何でもOKで、時には演歌でポージングする人もいる。アップテンポな曲は躍動感があり、若さを感じさせるし、ゆったりとした曲調は、優雅さや、りりしさを強調できる。

テンポの速い曲だと、いっぺん振付が飛ぶと、演技が追い付かないし、リカバーの方法が見つからない恐れがあるので、私はスローテンポの曲を選んだ。

で、去年は、フランク・シントラのマイウェイを使用した。ゆっくりとした曲だが、情熱も感じ、何より、歌詞が気に入ったのだ。その歌詞を日本語に訳してみると、こんな内容だ。

「今ここに、人生の終わりが近づいている。そう終幕に直面している。友よ、私が歩んできた道は、決して間違っていなかったと、これだけははっきり言える。あらゆる道を旅してきた。そして何よりも信じたままに生きてきた。

後悔も少しはあった。でも改めてここでいう程の事じゃない。私がなすべきことは成した。全てを見て来た。すべて慎重に計画を立てて、一つ一つの道を注意深く歩んできた。何よりも 信じたままに生きてきた。確かにあなたも知っているように、自分ができる以上の事を抱え込んだ時もあった。しかし疑問に思った時は立ち止まり、引き返した。私は全てに堂々と立ち向かった、自分の信じるままにやってきた。

時には、愛し、笑い、涙した事もあった。得た事も、失った事もある。そして今涙が途切れ、すべてが楽しかったと気づいた。私のしてきた事を考えると、恥ずべきことはしなかった。いや違う、私は信じたままに生きて来ただけだ。

人はその人なりに何を得たのか、自分を偽るものは、自分の感じた事も、祈りの言葉も口にできない。私の人生の記録は、私が闘ってきた事を示している。そう自分の信じるままに生きて来た。そう、それが私の生き方なのだ。」

歌に生きたシナトラの、とてつもない自分の人生に対する自信を感じる。勿論悔悟の念もあったろうが、やりたい事を、やり切ったと言う強い自信と自負を感じるのだ。私も、高校生時代からアナウンサーを目指し、念願かなってアナウンサーになり、自分の能力一杯に、やりたい事をやって来た。そしてアナウンサー生活も、65歳で定年を迎え、定年を超えて、67歳まで、現役と一緒に、テレビの一線で仕事ができた。この4月からは、ラジオを中心に仕事をしているが、長いアナウンサー生活も、いよいよ終盤に向かっている。でも、今思うと、やりたい事を、満足が出来るまでやり切ったという思いが強い。その思いを、シナトラが、私の代わりに歌ってくれている感じがして、この曲を選曲したのだ。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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