2月26日(月)『ボディビルダーのお約束の体型に近付く』

スポーツにより、選手の体型は変る。ラグビー選手は、首と脚が異様に太い、ラガーシャツのボタンがとまらない位首が太く、短パンからは太い足が覗いている。激しいタックルを受け、スクラムで押し合わなければならないから太い筋肉が必要になる。水泳選手に、腹が出た太目の選手はいない。大胸筋が横に広がり、三角筋が大きく成長し、ビルドアップされた逆三角形の身体は美しい。一日、練習で1万メートルも泳ぐので、体は紡錘系に発達する。体操選手は、太い腕が最大の特色だ。腕の力を頼りに、鉄棒を回り、鉄輪では身体を支えて、技を見せる。体操選手は、腕ほど、脚は太くないのが面白いところだ。このようにスポーツにより、使う筋肉が異なってくるので、夫々のスポーツ種目で、体型が変ってくるのである。

ではボディビルダーは、どうだろう。首から足まで、体中のあらゆる筋肉を刺激し、発達させる。正面から見ると、盛り上った僧坊筋に支えられて首は太く、その下に逆三角形の身体がある。肩幅は広く、三角筋が横に広がっている。上半身で目に留まるのは、大きく発達した大胸筋である。見事に二つに割れた大胸筋の塊の後ろには、後背筋が広がっていて、上体の逆三角形を印象づけている。三角筋からは、太い腕が延びていて、上腕二頭筋、三頭筋が盛り上り、腕中にはうねる様に血管を露出させている。胸の下には、シックスパックになった腹筋が見え、ロープで縛るように腰のラインを引き締めている。そして逆三角形の身体を支えるように、太い脚が伸びていて、太ももは、蛙の足のように大腿四頭筋が盛りあがっている。これがボディビルダーの典型的な身体、つまりビルダーの定型の形である。

筋トレを続けていると、このようなビルダーの定型の身体に、次第に近づいてくる。ボディビル大会では、定型の身体がすらりと並んで、お約束の結果である事が分かる。身体中の筋肉を発達させると言うことは、ビルダーの定型的な身体になると言うことなのだ。この暗黙の約束が存在するから、皆競って筋トレを続ける。痛みに屈せず、栄養を取り、休養をとり、ジム代、パーソナル代、補助食品代と、お金を投入して頑張るのである。途中で諦めては元も子もない。辛抱してトレーニングを続けるしか定型への道はない。万遍無く、身体のさまざまな筋肉に刺激を与えることで、御約束のビルダーの定型の体に成長してくる。このお約束で、私が最も重要だと思う事は、若い人だけでなく、中高年でも、この御約束が守られると言うことだ。

私は、65歳の定年を機会に、ジムで本格的に筋トレを再開し、パーソナルトレーナーに、筋トレメニューを作ってもらい、厳しい指導を受け、毎日のようにジムに行き、体中満遍なく鍛えてきたが、ようやくビルダーの定型の身体に近付きつつあることを実感している。まだまだではあるが、約束が守られる事への、満足感と、信頼感、充実感を持ちながら、今日も筋トレを続けている。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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