2018 東京オープンボディビル大会まで100日日記と放談

鈴木桂一郎アナウンサー 66歳の挑戦

東京オープンボディビル大会出場まで100日日記

別名: めざせ! 6 pack coming soon 日記

平成30年(2018) 1月26日 スタート

【はじめに】

 高校生で筋トレを初めて、途中、中休みもあったが、細々と続けてきて、今年で丁度50年になった。定年後は、筋トレを、思い切って出来る環境になった。  

長年の筋トレによる経験則で恐縮ではあるが、歳を取っても、不思議に筋肉は発達する事を発見した。大胸筋、三角筋、上腕二頭筋、広背筋、大腿四頭筋、あらゆる筋肉が、大学生の頃より、大きくなったのだ。筋肉に適切な負荷をかけると、年齢を超えて、筋肥大を起こす。老化は進んでいるのに、何故筋肥大を起こすのだろうか? 筋肉への知的好奇心が膨らんだ。

老化は進んでいるのに、筋肉は発達する。まさに筋肉マジックである。定年後本気になって筋トレを再開して1年半、多少の成果を得た。そこで、無謀ではあるが、今回初めてボディビルの大会に出場する事にした。勿論、一般の部ではない。5月6日に開催される東京オープンボディビル大会には、60歳以上の人が参加できる部門があるので、ここに参加することにしたのである。

大会まで100日となり、伊勢龍顕トレーナーに、指導を仰ぎ、大会を目指して、本気になってトレーニングする事にした。高齢者のトレーニングは、闇雲に高重量を扱う必要はないと、伊勢さんは言う。筋肉に、いかに効率よく、適切な刺激を与えられるかがポイントとなる。どこまで頑張れるか分からないが、大会までのトレーニング日記を書きたいと思う。ボディビル大会出場は、初経験である。私にとってはトレーニング記録として、そして高齢者の方で、ボディビル大会に出場したい方への、参考になればという思いから、日記を書く事にした。

平成30年5月6日日曜日に、東京北区王子にある北トピアで開催される東京オープンボディビル大会、60歳以上のクラスに出場することにした。

大会まで、100日となった。去年は、選手登録までしたのだが、風邪を引き、仕事に影響してはいけないと、出場を見送った経緯がある。今年は、この一年、東京オープンボディビル大会に出場する事を前提に、激しいトレーニングを積んできたので、今回は、何としても、大会に参加したいと思っていた。言わば、去年の雪辱戦である。

そもそも、いい歳をして何でボディビル大会なの? と思うだろう。私と筋肉トレーニングとの出会いは、50年前の高校生の時に遡る。クラスの友人に誘われて、野球部に入り、基礎体力で劣っていた私は、五反田にあったボディビルジムに通い、筋トレを始めた。リストを鍛えて、打ったボールの飛距離を伸ばそうと思ったのである。野球部の練習の後、ジムに通い、ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、カールなどの基礎的な種目中心に、筋トレに励んだ。野球は、上手くなれなかったが、成長期だったのだろう、一年間で、胸囲が10cm、太腿が2センチ、上腕が1センチ太くなった。ひ弱で、虚弱体質だった私は、筋トレのお蔭で、人並みの丈夫な体を持てたのだ。学習院大学でも、ウェイトトレーニン愛好会に入り、筋トレを続けた。気が付いたら、人一倍頑強な体になっていた。NHKの就活の最終面接では、最後に、何か言っておきたい事はないですかと問われ、「体が丈夫なので、台風や地震などの災害の時には、真っ先に駆け付け、仕事します」、と話したら、運よくアナウンサーとして内定が出た。最初の約束だから、NHK在職中は、「いざ鎌倉」、の時のために、ジムに通い、激務に耐えられる身体を、常に用意した。勿論仕事の合間だから、一週に一度ジムに通う時もあれば、忙しい時には、月に一度しかジムに行けない時もあった。それでも、何とか定期的にジムに通い、体力の維持と向上に努めた。お蔭で、時にはデブと言われる事もあったが、固太りの頑丈な体を維持してきた。毎日、ジムに通えれば、もっと体をでかくできるし、ダイエットして脂肪を取り、決してデブとは言わせないのに、などと思いながら、本格的に筋トレができないまま、いつの間にか、定年を迎えてしまった。

 65歳でNHKを退職し、フリーのアナウンサーとなった私は、現在、夢だった筋トレ中心の生活を送っている。一年半、運動、食事、休養をきちっと取り、自分なりに筋トレに励んできた。しかし、いくら頑張って筋トレしても、思った程、見た目マッチョな体にはならなかった。66歳だから若い人とは違うよ、仕方がないと思うかも知れないが、筋トレの成果は、定年後1年半の筋トレで、着実に現れ、確かに筋肉は付いた。ただ筋肉が付いきているという実感はあっても、それ以上に脂肪も増えて、筋肉は脂肪に覆われて姿は現わさなかった。それなら、脂肪を落とそうと、減量を考え、去年はカロリー制限をして体重を落とした。しかし、脂肪も落ちたが、筋肉も合わせて落ち、結果として、皮膚がたるんで、皺が目立つ痩せた老人の体が残っただけだった。減量大失敗である。

去年の12月、来年の東京オープン大会は必ず出場し、雪辱を果たそうと思ったのだが、去年と同じ轍を踏みたくないと言う思いが強くなった。体重を落として、できれば脂肪だけ落として、筋肉を残す方法はないだろうか。更に、長年筋トレしていても、いわゆるパンプすると言う経験があまりなく、これは筋肉に有効な刺激が入っていない何よりの証拠でもあり、自分の筋トレの方法に、大きな疑問を持ち始めてもいた。

どこかに突破口がないか考えた末、ノウハウを持ったパーソナルトレーナーを探し、筋トレを基礎から教えてもらう事を考えた。筋トレの成果は出しつつ、筋肉は残しながら、脂肪だけ落とすという理想的な体重の落とし方はないかも含め、多角的に指導してもらう事を決意した。

では、誰に教えてもらうかだが、私は、原宿のゴールドジムで熱心に指導している伊勢龍顕コーチに、パーソナルトレーナーをお願いし、面倒を見てもらう事にした。ゴールドジムには、優秀なコーチが多く存在し、人選が難しかったが、パーソナルトレーナーとして教えてもらうなら、どんなコーチが良いのか、私の目線で選んだ。伊勢パーソナルトレーナーを選んだ基準は、こうだ。

1 朝から晩まで、昼飯の時間がないほど、一生懸命、手を抜かず教えている。甘えは許さず、いつも厳しいが、時には、笑顔もある。

2 教えを受けている側も、必死でトレーニングしている。

3 伊勢さんは、ボディビルやフィジークの大会で優秀な成績を残している現役選手であり、伊勢さんの体が、そのまま商品見本になっている。私が教えれば、こうした身体になれますよと、身体がアピールしている、見事な肉体の存在である。教えてもらえば、伊勢さんのような身体に成れるかもしれないと言う幻想を持つことが出来る。

4 伊勢さんにパーソナルトレーニングを願いしている人は、若い人ばかりでなく、中高年も多い。中高年にはケガをしないように、重さ重視ではなく、軽い重さで、筋肉にいかに効率よく刺激を与えるかを考えて、中高年向きのメニューを組んでいる。

と、以上の四つの観点から、伊勢コーチにパ-ソナルトレーナーをお願いする事にした。伊勢コーチには、素直に来年の5月6日の東京オープンに出場したい旨を伝えて、指導し 

てもらう事になった。

1月11日の初のパーソナルの日、裸になってくださいと言うので、鏡の前で裸になったが、伊勢コーチは、「胸の筋肉は多少ありますが」とまず誉めてから、私の身体をしげしげと見て、「他の筋肉ほとんどないですね」と、結んだ。正直すぎて、私は、がっくりとしたが、でも何とかしましょう。頑張りましょうと言ってくれた。伊勢コーチには、週に一度から二度のペースで、パーソナルをお願いしている。人気のトレーナーなので、なかなか予約が取れないのが、悩みだ。

1月27日までに、4回、基礎的な種目のトレーニング方法や、食事の注意点などの指導を受けた。パーソナル初日は、1月13日で、肩、背中,腕を一通り、トレーニング方法を教えてもらった。学んだのは、効かせたい筋肉を意識して、負荷をかける必要があると言う事である。スクワットは足の裏全体で、挙げること。カールも前腕で二頭筋を潰す感覚が大事だと言う事を教わった。数十年に渡る鈴木我流筋トレメソッドは、いったん捨てて、正しい筋トレの方法を伊勢コーチから学ぼうと思っている。これからも、色々な発見や勉強があるだろう。その記憶、記録として、「東京オープンボディビル大会出場まで100日日記」を書くことにした。大会出場を目指し頑張ろう。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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