2018年1月7日(日)『国立劇場、正月狂言、世界花小栗判官を観る』

国立劇場の正月狂言、「世界花小栗判官」を観る。小栗判官と、照手姫が、艱難辛苦の旅を続けると言う物語なのだが、はっきり言って、面白くも何ともない芝居になった。

 一番面白かったのが、小栗判官が、暴れ馬を見事に手懐ずけて、鮮やかに乗りこなす場面が一番面白かった。荒馬が、後ろ脚だけで立ち、前足を上げて、決まる所は、前足の役者を、後ろ脚の人間が受け止めて、持ち上げる訳だから、後ろ脚の役者の強さが重要なので、大きな拍手を送った。更に判官を乗せたまま、後ろ脚で将棋盤に乗り、前脚を上げる場面も出てきたが、勿論ワイヤーで吊ってのことだったが、見事に決まり、感激した。馬の脚は誰が演じたのか、筋書に載せてもらいたいものだ。菊之助の美しさが、判官のイメージと重なり、菊之助の美しさが、嫌が上にも増したと思う。

 判官を真ん中に、照手姫と、萬屋娘お駒との、奪い合いは、凄まじく、結婚の当日に、照手姫が出てきて、判官との結婚を邪魔するのだから、お駒は怒り爆発、判官に殺されたお駒が、幽霊になり、たたってやる、と毒づくところは、女の執念を感じた。

 漁師浪七の取り手との絡みは、長すぎて飽きてしまった。延々と続く、立ち回り、歌舞伎のファンは必要と感じているのだろうか。

 結局、ストーリーも良く分からず、眠くなるのを必死でこらえて、見終わった。どのみち、良く分からない物語なので、去年の様に、大きな化け猫をだすとか、曲技團レベルの捕り物を出すとか、目玉になるような工夫がないと、飽きてしまい、眠気を誘う。国立劇場の正月の興業は、そうしてお馴染みの作品や、新作をやらないのだろうか。