2017年9月23日(土)『歌舞伎座、秀山祭9月大歌舞伎、夜の部、ひらかな盛衰記、逆櫓と、再桜遇清水』

 歌舞伎座の夜の部を見た。ひらかな盛衰記、逆櫓と、再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)だった。

 ひらかな盛衰記は、何度も見た演目で、木曾義仲の家臣、樋口兼光が活躍する物語。木曾義仲は、義経と戦い、敗れ、すでに討ち死にし、兼光は復讐の機会を伺っている。摂津の国に住む漁師権四郎の娘およしは、新たな壻になる。およしと先夫との間には、子供がいる。権四郎と、およし、息子おい松の三人は、巡礼に行くが、騒動に見舞われ、子供は、取り違えられてしまう。臍の緒書きがなく、何処の誰かは分からないが、権四郎と、およしは、何時かは取り換えに来てくるだろうと、その間は、自分の手元に来た子供を大切に、育てる。そこに、松右衛門が新たな壻となる。この松右衛門が、実は、樋口兼光である。吉右衛門は、船頭、松右衛門と武士樋口兼光の二役を、を演じ分けたが、船頭として、家の得意技、逆櫓を操り、大活躍した話を、家族に話して聞かせる場面や、息子への愛情、愛妻家の面を見せて、穏やかな人物造形を見せて、樋口兼光として武士にキャラクターが変わった途端、義仲の重心である存在感が濃密にでた。勿論赤を使った隈取のせいもあるが、眼光の鋭さ、言葉の際立たせさ、言葉の迫力が、俄然出てきて、吉右衛門の演技に圧倒された。現代の最高峰の時代劇役者の力を見せつけたと思う。

再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)は、吉右衛門が監修に回り、染五郎が主役の清玄を演じ、雀右衛門が、桜姫を演じた。