令和3年5月20日(木) 『渋谷コクーン歌舞伎、夏祭浪花鑑』

歌舞伎座に一部二部を観たあと、渋谷に行き、コクーン歌舞伎、夏祭浪花鑑を観る。歌舞伎座と異なり、劇場の差もあるかもしれないが、コクーン歌舞伎では、役者の、歌舞伎に掛ける熱を激しく感じて、そのパワーに客席にいて、押される感じがした。役者の発するエネルギーと、それを受け止める観客のキャパシティーが、ぶつかり合い、観客席ではギリギリまで攻め込まれた感じがした。役者の発するエネルギーが凄い、それも主役だけでなく、脇を固める役者のエネルギーも高く、舞台が燃え上がるようだった。演目は、夏祭浪花鑑で、江戸時代のものだが、古典という感じが全くせず、新作の歌舞伎を見ているように感じた。

団七の勘九郎が、勘九郎の役者としての肉体を全開させて、エネルギーを爆発させながら疾走する。勘九郎に引っ張られて、一寸徳兵衛の松也も、三婦の片岡亀蔵も、お梶の七之助も、義平次の笹野高史もエネルギーを舞台で爆発させていた。こんな役者のエネルギーを見せる芝居は、久し振りに見た。勘三郎の中村座、コクーン歌舞伎も、勘三郎の役者としてのエネルギーを強く感じたが、出演俳優全員ではなかった。勘三郎のエネルギーの高さが、比類ないものだったからそう感じたのかもしれないが、今回は、出演者のエネルギーが全員物凄かった、チームワークのエネルギーの高さだったと思う。

私の好きな松也が、一寸徳兵衛と女房お辰の二役を演じた。久しぶりに松也の女形を観たが、違和感は全くなかった。背もデカいが、堂々としたお辰で、気風の良さを強く感じた。一寸徳兵衛は、勘九郎の団七に負けないエネルギーを出していて、役者としての成長を強く感じた。心と言葉と動きが三位一体となって、自在に演じられるようになってきた。令和の立ち役は、松也と思っているので、頑張って欲しい。