令和3年3月5日(木) 「歌舞伎座1部。猿若江戸の初櫓、戻り駕籠色相肩の舞踊2本」

歌舞伎座の1部を見る。猿若江戸の初櫓と、戻り駕籠色相肩の舞踊2本立てだった。正直に言って、私の心を動かすものではなかった。私は、踊りに関しては、全くの素人で、踊りのどこがおもしろいのか、見所はどこか、私は全く分からない。だからか、舞踊の二本立て公演は、頷けない。何故踊り二本で、公演が成り立つのか、よく分からない。2部が、実盛物語と直侍だから、この2演目に、踊りを付ければ、丸く収まると思うが、どうだろうか。

猿若江戸の初櫓は、初演で十八世勘三郎が演じた舞台が、印象に強く残っていて、自分の歌舞伎の活動と、演技に天性の明るさが、輝いていて、勘三郎に嵌めて書かれた台本だと思ったものだ。勘九郎も何回か見ているが、勘九郎には、父譲りの天性の明るさに欠けていて、生真面目すぎて、江戸に初めて芝居の小屋が建つ喜びが薄かったように思う。踊りは、楷書で、丁寧だった。

戻り駕籠色相肩は、寝てしまった。松緑、苔丸、愛之助。イヤホンガイドが、松緑を、若手花形と呼んでいたが、もう花形からは卒業だろう。