令和3年1月05日(火) 「国立劇場、初芝居、四天王御江戸鏑(してんのうおえどのかぶらや)」

コロナ禍久し振りに、通し狂言を見た。10年前に復活させた四天王御江戸鏑を再演した。10年前にも見たが、今回は、コロナの影響で、時間短縮、極めてテンポよく、実質2時間15分で公演時間を短縮した。

時代物、世話物をミックスして、これでもか、これでもかと流行を取り入れ、笑わせてくれた。一言で言えば、正月の初芝居としては大変楽しい舞台だった。筋がどう、中身がどうなんて、どうでもいい事で、正月の歌舞伎を見て、楽しく時間を過ごせた。国立劇場の正月興行は、これでいいのである。コロナ禍、舞台作りの出費を抑えるため、口から火をだす大きなカエルとか、屋台崩しとか、大掛かりな仕掛けはなかったが、流行を取り入れた各所の笑いあり、踊りもあり、菊五郎が世話物と時代物をとぼけながら演じ分けていて楽しかったし、特に花魁姿の菊之助のしぐさが可愛くて、心を打った。歌舞伎役者は、やはり美形はお徳だ。さらに立ち回りも奇麗であった。時代物+世話物が、うまくミックスしていて、菊五郎が世話物の鳶の頭から、時代物になると、立派な侍になり、二つを自然に演じて分けていて、楽しかった。時蔵が、先月は三人吉三巴白浪で、お嬢吉三を演じていたが、今回は白髪の婆役を元気に勤めていて、歌舞伎役者の幅広い演技に感心した。