4月19日(日) 「自分だけはいいだろう、大丈夫だろうという危険な考え方」

コロナウイルスの流行下、私は自衛のため、目黒の自宅から仕事場の渋谷のNHKまで、タクシーで往復することにしている。片道2000円ほどで行けるので、家計を圧迫するほどではない。バスと電車を乗り継いでも、往復で1200円かかるので仕方のない出費だと考えている。コロナウイルスに罹ると、私も命の心配があるが、通勤時にコロナウイルスに感染したらNHKに迷惑をかけるし、局内の誰かにうつしてもいけない。自衛のために行っているのである。

ニュースの中で、鎌倉が混雑して道路が大渋滞し、湘南の海岸はサーファー客で埋まったと報道された。コロナウイルスの流行中、不要不急の外出は控えるように、求められているのに、車に乗れば関係ないとばかりに、鎌倉や湘南には、ドライブ客が増え、駐車場が閉鎖されているために、道路が混雑したのだと、伝えていた。車の中にいれば、私達は安全だと思うのだろうが、東京のコロナウイルスの感染者だが、発症しない人がいて、コロナウイルスを神奈川県民にうつすことは考えないのだろうか。

こういう、自分だけはいいだろう、と考える人は身近にもいる。スーパーに、親子ずれで買い物に来て、子供を遊ばせてる客、マスクをしないで買い物に来る客もいる。公園で犬を散歩させ、マスクをしないで、大声で愛犬自慢を話している犬好きグループ。電車の中で自分だけマスクをしないで咳き込む人。コロナウイルスに敏感になっているのに渋谷駅前のスクランブル交差点で記念写真を撮る外国人のグループ。渋谷の街を腕を繋いでデートがて買い物に来ているカップル。洋服屋さんの紙袋や、スニーカーを入れたビニールの手上げ袋を持った若者も目立つ。新しくなったパルコの写真を撮っているカップルもいた。お上りさん丸出しだ。きっと観光客だろう。服やスニーカーなどは、今買わなくてもすむものばかりだ。不要不急の外出は控えるように言われているのに、いったいどうなっているのだ。自分だけは何をしてもいい、こういう考えの人に、日本は緩すぎる。

鈴木桂一郎アナウンス事務所

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