令和4年1月6日(木) 「歌舞伎座1月2部。春の寿として三番叟と萬歳。櫓清の夢」
春の寿として、長唄の三番叟と竹本の萬歳の舞踊二題が演じられた。三番叟は、めでたい踊りなのだが、梅玉には、品があり、格調は漂うが、正月の目出度さは感じなかった。万歳は又五郎と鴈治郎、何か地味で、こちらも目出度い感じが薄かった。正直言って、どこが目出度い、おもしろいのか分からず。それぞれの動きや舞に意味があるのだろうが、私には分からず、残念。
続いて幸四郎の櫓清の夢。幸四郎と猿之助と組んだ、弥次喜多の面白さを期待したが、幸四郎一人では、喜劇の面白さを出せず、幸四郎一人頑張っているが、空振りに終わった。芝居の発想は面白く、金に困って夜逃げした主人公の清吉が夢を見ると、夢の中では、逆に金が集まってきて、金を使えないという設定になる。泥棒からは、金を取られるのではなく、逆に金を渡され、餅屋からは餅代を逆に渡される。お金を使えず、金は貯まる一方で、お金を捨てると、捨金番から、怒られるという、貧乏人には、皮肉が効いたものなのだが、芝居が膨らまず、あまり楽しくなかった。芝居の中に、忠臣蔵の斧定九郎が出てきたり、吉田屋の一シーンが出てくるが、大受けはしなかった。幸四郎一人に、喜劇は、さすがに無理で、やはり喜劇は、相方が必要である事を痛感した。吉右衛門亡き後、幸四郎には、時代物役者として、今年は頑張って欲しいと思った。
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