令和3年12月25日(土)「歌舞伎座1部、新版、伊達の十役」
伊達の十役を再見した。先代猿之助、現猿翁の当たり芸だが、タイトルに新版とついていて、現猿之助が、新たに作った作品となっている。猿之助が、十役を早変わりで演じるのが、売りである。序幕の足利家奥殿の場、同床下の場が、ほぼこれまで通りだった。
猿之助の早変わりは、すでに余裕があり、ゆっくり消えていき、再びゆっくりと舞台に出てくる。早変わりは、出て、入るまでの幕外での時間は短いが、舞台を去るところは、ゆっくり、出てくるところもなおゆっくり出てくるのが、ポイントになるので、猿之助は先代をまねて上手いものだ。それにしても、早変わりのテンポが速く、心地よい。猿之助の表情が、役ごとに、きっぱりと変わり、目つきも代わり、体の動きも変わるから面白いと思う。中車が、今回は栄御前を演じたが、八汐が本役だろう。八汐は巳之助、憎々しくていい。
いきなり大詰になり、間書東路不器用(ちょっとがきあずまのふつつか)、いろいろとてんこ盛りで面白いが、早く展開しすぎて、さして印象には残らなかった。
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