4月12日(金)『急遽GS担当。歌舞伎昼の部見れず』
喫茶店で、俳句を作り、19時からのニュジープラットホームでのBS句会に出る。5句の内、並選で2句入ったのみ。がっくりとした。
提出句は、曜変を三碗見たり酷き春、棟上げや桐の正目の春に立つ、春愁や金より高いサイの角、空は花地は我がものとしゃが誇る、防災のサイレン隠す桜かな、
棟上げや桐の柾目の春に立つ
毎日、目黒の家の周りを散歩している。徘徊老人ではなく、俳句を捻りながら散歩するので、俳諧老人である。散歩中に、建設中の個人の家の周りに、紅白の幕が引かれ、間もなく上棟式が行われるようで、準備に忙しい様子が見てとれた。建設中の家の壁に、柾目が綺麗に入ったヒノキの板がたてかけてあった。青空に檜の柾目の直線に伸びているように感じた。
曜変を三碗見たり酷き春
曜変天目茶碗は日本国内に三碗あり、すべて国宝となっている。中国から入ったものだが、中国には現存しない。今、三碗の曜変天目茶碗を一時に見る事が出来る。遠い奈良県での別々の場所での開催で、バスツアーもでる程の人気である。春の真っ只中、一日がかりで、茶碗に閉じ込められた宇宙の世界を堪能したが、でもやっぱり疲れた。兼題が、酷だったので、作った句。
春愁や金より高いサイの角
春愁という言葉は知っていても、実際にこうした心持になるかと言うと、私にはあまり経験がない。ぼんやりとしたものに対して、サイと言う動物の中で一番固い皮膚を持つ動物と並べてみた句。
空は花地は我がものとしゃが誇る
東京の春は、桜で埋め尽くされる。普段は気に留めない公園の木々や、街路樹、個人のお庭、あそこにも、あそこにも桜が植えられていて、青空に桜が、我が物顔に咲き誇っている。一方、地面には、白地にレース模様のシャガの花が、地底で繋がりながら、繁殖していて、美しさを誇っている。
防災のサイレン隠す桜かな
目黒川の桜が満開である。昭和の初めに目黒川が改修された時に、堤沿いに、記念に桜が植樹されたのが初めだ。目黒川は、品川沖に注ぎこんでいるが、目黒新橋辺りで、標高3Mで、昔は大雨の後にあふれ出す事があったために、川沿いには所々に、危険を知らせるサイレンが置かれている。満開の桜の中に、危険を知らせるサイレンの姿は隠れてしまった。音さえ出ればいいので、見えなくてもいいのである。無粋なサイレンが桜に消えた光景を呼んだ句。
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