2015年12月23日(水)『歌舞伎座12月、夜の部、妹背山女庭訓。お三輪玉三郎』

夜の部は、妹背山女庭訓の四段目、杉酒屋、道行、御殿というもの。杉酒屋は、初めて観た.いつもは、場違いの、御殿でいたぶられるだけのお三輪の生活空間がよくわかった。酒屋という庶民の生活の中にいて、七之助のお三輪は、隣家に住む采女に、普通に恋していたのだ。隣家に住む、ハンサムな采女が、貴族であり、実は陰謀を巡らせる藤原淡海であるとは、思いもよらぬ。七之助のお三輪は、このあたりの町娘を、ニンにあっているので、普通に演じていた。ここで橘姫が登場、どうやら恋のライバル登場なのだが、児太郎の橘姫が、全然貴族の御姫様らしくないのは、経験からいって仕方がない所か。目つきが、下品で、あばずれ感があり、睨みつけるから、お姫様に見えないのだろう。

道行は、児太郎の橘姫、七之助のお三輪、松也の求女。松也は綺麗だが、児太郎、七之助に美しさがないので、つまらない。女方は、綺麗でないとだめだ。

御殿で、ようやく玉三郎のお三輪が登場。60半ばだが、美しくて、なお小娘に見える、身体のしなやかさと、動き、セリフ術。現代の奇跡だ。その美しく健気なお三輪が、官女にいたぶられるところに、被虐美がある。官能美がある。